はじめに・・・
今回お話する子達はキンカチョウ・ジュウシマツ・カノコズズメ・コキンチョウ・ジュバシキンセイチョウになります。
親鳥が育児放棄した場合、私たちはどう対処すべきか?
親鳥が育児を成功させる機会を奪ってしまうようで、保護するのはいつも心苦しいのですが、目の前で亡くなる雛を見るのが辛いので、つい手助けしてしまいます。
実際にブリーダーさん・ショップさんがいうように
手助けしないで上手くいくまで放っておく
という手段も取りましたが、犠牲者が半端ない為、私は「ああ、この親は子育てできないな」と思った段階で、完全人工飼育に切り替えました。
悔いもたくさんある中で、こうしたら成功率が上がったという結果をまとめましたため、今、目の前で0.6gほどの雛ちゃんにどう対処したほうがいいのか、困っている方の参考になりましたら幸いです。
動画はこちら↓ですが合わせて、下に続きます記事と連動すると見やすいかと思います。
鳥の種類
今回当てはまるのは、キンカチョウ、ジュウシマツ、コキンチョウ、カノコスズメ、ジュバシキンセイチョウになります。
完全人工飼育・成功例
・キンカチョウ 21羽
・ヨーロッパジュウシマツ 5羽
・ジュバシキンセイチョウ 6羽
・カノコスズメ 2羽
・コキンチョウ 1羽
・ジュウシマツ 1羽
・・・合計36羽です。
他の種の子においては経験がないのでわかりかねます。
卵を温めてから孵化までの日数
キンカチョウ・ヨーロッパジュウシマツ・ジュウシマツ・ジュバシキンセイチョウ
→13~14日(例:10月1日に保温開始→10月14日か15日に孵化)
カノコスズメ・コキンチョウ
→16~17日(例:10月1日に保温開始→10月17日か18日に孵化)
上記の場合、カノコスズメは親の抱卵のタイミングが良く見れなかったため、多少のズレが生じる場合があります(まだ観察と症例不足です)
最適な温度・湿度(秋冬の場合)
こちらはサーモスタットの設定温度ではなく、雛がいる場所の温度なので、
必ず、専用の温湿度計で雛のいる場所の温度・湿度を図ってください。
◆キンカチョウ・コキンチョウ・ジュウシマツの場合
生後0~10日目まで→37~41度(丸裸で羽が生えていない頃)
生後10~14日目まで→37度前後(目が開いて羽がツンツン生え始めた頃)
生後14~21日目まで→35~37度くらい(羽が開いた後くらい)
生後21~25日目まで→33度くらい(自由に動き回るくらい)
生後26~30日目まで→32度くらい(飛ぶ練習を始めるくらい)
生後30~40日目まで→30~32度くらい(一人で餌を食べるようになるくらい)
40日すぎ 27~28度くらいをキープ
◆カノコスズメの場合
生後0~15日目まで→37~41度(丸裸で羽が生えていない頃)
生後15~21日目まで→37度前後(目が開いて羽がツンツン生え始めた頃)
生後21~30日目まで→35~37度くらい(羽が開いた後くらい)
生後30~39日目まで→33度くらい(自由に動き回るくらい)
生後39~45日目まで→32度くらい(飛ぶ練習を始めるくらい)
生後45~60日目まで→30~32度くらい(一人で餌を食べるようになるくらい)
60日すぎ 27~28度くらいをキープ
生まれた時は0.5g台の為、中でもカノコスズメは温度湿度の影響を受けやすく、管理が大変難しい子達になります。
◆ジュバシキンセイチョウの場合
生後0日から35~37度スタート。
暑がりの様なので、羽が生えた後に、様子を見ながら部屋の温度に近づけていく。
湿度管理は絶対に忘れてはいけません。
50~60%維持をお願いいたします。
🌟上記は目安であくまで我が家の場合はそうでした、という数字です。
お部屋の温度自体を現在27度以上にし、鳥に負担をかけないようにしています。
上記は秋冬の繁殖に限った話で、春夏はもう少し温度を下げたほうがいいかもしれません。
ノア君の春の繁殖時は37度スタートで徐々に温度を下げていきました。
秋の繁殖は急に寒くなる日もありますため、注意が特に必要ですね。
またカノコスズメの場合は、キンカチョウより小さく、さらに温度の影響を受けやすいため、さらに注意が必要のようです。
保護したらまず早急に用意するもの
我が家が色々試してみて温度湿度管理がしやすかったセットはこちらです。
まず初めに下記の物をペットショップにてご用意ください。
ガラスの水槽
電球の熱さに耐え、何かと使えます。
我が家はGEXさんの横幅37センチ、グラステリアというものを使用しています。
保温電球
我が家はアサヒさんの100wを使っていますが、庫内に5度の変化が生じるため、もしかしたら40か20wのほうがいいかもしれません。
ただ使用したことがないので何ともいいかねます。
サーモスタット
ダイヤル式なのですが実際はデジタルで数字が見える方がオススメです。
温湿度計
庫内全体ではなく、雛のいる場所の温湿度を図れるタイプにして下さい。
我が家はアマゾンで何個も購入しています。
プライム会員でも届くのが次の日になります。
化粧用スポイト
100均、DAISOダイソー商品です。
雛の口にピッタリ合った唯一の商品です。
アマゾンで似たようなものも購入していますが、我が家はこちらの方が慣れているためいつも使っています。
楽天のcharmさんでのお取り扱いのこの商品と大きさ、形状が同じになります↓
https://a.r10.to/hNGJOx
Amazonの商品はこちらです↓
TOUFEIYUAN シリンジ5個 5ml 注射器
https://amzn.to/4dN8MM0
ご飯・パウダーフード
我が家はケイティのイグザクトを使用しています。(無ければ他のメーカーでも大丈夫です)
これは雛ちゃんがツヤッツヤの肉厚で育ちます。
今までペットショップで見かけたことがないのでAmazonリンクをペタしておきます↓
213g
https://amzn.to/3wHstEc
2270g
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タッパとシリコンカップ
何でもいいのですが我が家はタッパと100均のお弁当用のシリコンカップが非常に使えるなと思いました。
挿し餌の感覚 タイミング
雛ちゃんの消化器官が整うまで1度目のご飯は待ちます。
緑のウンチがOKサインです。
動画内でも説明していますが、いつ生まれたのか、いつ緑のウンチを出したのか、解らない場合は完全自己責任になってきます。
雛は生まれて36時間以上空腹だと、弱ってきます。
そのため、緑のウンチをしてから生後36時間の間を見極めなければいけません。
その2時間の間に緑のウンチを確認できたらいいのですが、どうしてもわからない場合は、保護して2時間は水槽内で様子を見て、元気そうに口を開けるようなら、私ならご飯をあげてしまうかと思います。(完全自己責任で行います)
1度目のご飯をあげた後は、最低でも2時間(場合によっては30分~1時間)感覚でご飯をあげます。
ソノウが空になったくらいにあげてください。
これが5日ほど続くと、だんだん日にちがたつにつれて、ソノウにご飯が残っている時間が長くなってきます。
3時間経ってもご飯が入ってる!となってくると少しづつ楽になってきますね。
頑張りましょう!
個体差があるのでソノウにご飯が残っている時間を常々チェックしてください。
夜はどうするか?
夜は、親鳥も餌をあげていないので、人間も同じようにしてみたら?と様子を細かく伺いながら試しましたが、夜中の0時が最後のご飯、次は朝6時、、、6時間開いてと試してみました。
しかし、大丈夫な子もいれば、ソノウが空の状態が長く、朝のご飯のタイミングでショック死する子もいたため、やはり生後5日目くらいまでは2時間おきに1日12回以上の給餌をした方がいいようです。
かなり大変な作業になりますが・・・
親は大丈夫でなぜ、人工飼育では死亡率が上がるのか考えてみたところ、液体の餌と固形の餌の違いが原因であると想定しています。
親はシードをすりつぶして吐き戻して雛に与えますが、人間はそれができないので液状の餌になり、消化のスピードの違いが原因なのかもしれません。
断定はできませんが、相違がそこだけなので、本当に雛は繊細であると感じます。
親が雛に餌をあげれない子だと解るタイミング
抱卵迄はしてくれる、温度湿度は管理してくれるのに、ご飯をあげれない子がとても多いです。
そのため、雛にご飯をあげてれいるか、チェックできるようでしたらしたほうがいいと思います。
これができなくて亡くなった雛を巣の外に捨てる親がてとも多いんですよ💦
ではいつそれを見極めるのか?
例えば朝6時にちょうど雛が孵化しているのを確認したとします。
36時間空腹だと弱って亡くなるので次の夜6時がタイムリミットになります。
また親鳥が餌をあげる量、雛が餌を欲しがる量は、朝は少なく、夜寝る前にかけて、ソノウにため込むように、夜はパンパンになります。
この場合は生まれた次の日のお昼12時に雛のソノウをチェックし、ご飯が全く入っていない状態なら保護します。
ソノウに空気が入ってしまった場合は?
空気が無くなるまで次のご飯はあげないでください。
でも、空気が入ったからと言ってすぐに亡くなるという事はないので心配は不要です。
空気が少し入っていてもご飯をあげて問題はないですので、神経質にならなくても大丈夫です。
このサイズの子だと空気が抜けるまで7時間かかりますが特に命に係わる事はありませんでした。
挿し餌のコツ|温度やシリンジの使い方
我が家はケイティのイグザクトを使用しています。
雛ちゃんがツヤッツヤの肉厚で育ちます。
今までペットショップで見かけたことがないのでAmazonリンクをペタしておきます↓
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文章では解りにくいので、動画にてご確認頂きたいのですが、雛に餌をあげる時はお尻をしっかり押さえ、シリンジが奥まで入り過ぎないようにしてください。
また温度が非常に重要です。
雛のお口に入る時に42度であるようにしてください。
①スポイトの持ち方
親指と人差し指で調整します。
雛の口の中にドバっとご飯が入らないように練習してください。
②手で温度の確認と優しく出す練習
何度も練習してください。
雛のお口に入る時に42度くらいであることが重要です。
イメージはお風呂のお湯の温度くらい・・・
③シリンジを温めてかご飯を入れる
周りのお湯は50~60度になっています。
シリンジ自体も温めてからご飯を入れると
雛のお口に入る時に42度くらいに下がっています。
間隔を覚えてください。
④雛のお尻をティッシュで挟んで固定する
固定してから何度もご飯の温度をチェック。
モタモタしているとあっという間にご飯が冷えます。
本当にすぐに冷えるので丁寧に素早く作業します。
⑤喉の奥に入らないように両手で調整
両手で距離感を調整しながら、餌を優しく押し出しながら、シリンジは雛から引き抜くイメージで与えます。
この時期の雛がお口を開けてくれない場合は嘴に刺激をツンツン与えて見て下さい。
親鳥もそのようにして「ご飯だよ」とお知らせしていました。
それでも口を開けない場合は一度、水槽内の温度の高い位置に置き、口を開けるまで様子を見ます。
割りと口を開けない、首をもちあげられない子はその後、亡くなる可能性が高いです💦
でも諦めないで下さいね。
育つ子もいますので・・・
また1mlのシリンジは生後10日くらいで使えるようになります。
シリンジになると奥まで入る事が無いので少し気楽になれます。
本来の巣上げの時期・タイミングは生後何日?
また親元で育てられてる子を手乗りにする場合は、親元から離すタイミングは生後13~14日ほどで巣上げを行います。
筆者は以前、17日で巣上げをした時は遅かったため、人間の手からご飯をたべてくれず苦労しました。
10日ほどで目が開き色々見て学習するせいか、急に保護する事になった場合、巣上げが遅くなってしまった子は、シリンジを餌だと認識できない状態ですので口を開いてくれません。
そんな時は、雛の鳴き声を聞かせてあげてください。
筆者が試している動画もあがっています↓
こちらの動画が役に立つかと思います↓誘発されて口を開いてくれます。
環境設定|雛をどのような場所で過ごさせたら良いのか?
親鳥が抱卵を中止した場合は、卵を孵卵器に移します。
キンカチョウ、ジュバシキンセイチョウ、ジュウシマツは卵を産んで抱卵したら13~14日で孵化します。
コキンチョウ、鹿の子雀はうちの場合は?+3・4日かかりました。恐らく卵を産んでから数日して抱卵を始めた子達だからかと思います。
親が抱卵をするタイミングでも変わってくるようです。
例えば5月1日に最初の卵を産んで抱卵を始め、1日1つ産み合計5個の卵。
順調にいくと孵化するのは5月14日から1日1つづつになります。
抱卵をしない場合は、孵化の日を考慮し、孵卵器の設定をします。
孵化する2・3日前に転卵が中止になります。
卵はこの時点で上下動かさないで下さい。
そしてこのように管理↓するのではなく
孵化する1・2日前に、1羽ずつシリコンカップにティッシュを敷いて管理したほうがいいです。↓
緑のウンチもいつしたのか、確認ができます。
孵化後は24時間以内に温湿度を整えた水槽に移動させてあげてください。
我が家は2~6時間程ここにいてもらって移動しています。
水槽内の設定
温度は先ほどのをチェック。
★水槽に保温電球、その下に濡らしたタオル(毎日変える)
★雛たちはタッパの中にシリコンカップで1羽ずつ管理する。
★サーモスタットの設定温度ではなく、雛がいる場所の温度を必ず把握する
★湿度は50~60%
★雛のいる位置は少し高さを出し、床には置かない
雛は全員一緒のトレーに入れるのではなく1羽ずつ管理したほうが、固体の変化も解りやすく良いです。
床は平らすぎると雛の足を痛めてしまうため、ティッシュを凸凹させて、1か所への負担を減らし
床ずれを防止してください。
◆羽が生えそろった後のお引越し◆
我が家はルーミーの47センチを使用しています。
左にペット用のパネルヒーターを敷いて庫内は32度にしています。
室温は28度なので雛にも安心かな?
(秋冬は電気代がかかりますが、惜しみません)
お水・餌は浅めの容器で、床にはシードだけでなくペレットを撒いておいても、切り替えがスムーズになります為おすすめです。
雛も食べれるサイズの
ズプリーム・フルーツブレンドXS♪
フィンチさんは足が繊細なので、通常の止まり木ではなく足に負担のかからないものがオススメです。
さらに1週間~10日ほどでケージデビューになってきます。
ここで注意が必要なのは、温度と雛が挟まるような隙間は作らない事。
我が家はここでヤっちゃいました💦
幸い、雛ちゃんは生きていましたので安心しました。
このタイプのエサ入れ、水入れは完全に成鳥になってからがいいかもしれません。
それまでは横長で高さのないケージにご飯・お水は床に直置きがおすすめです。
完全に色づいて成鳥になってから市販のエサ入れなどつけるのが
一番安全かと思います。
温度はもう羽が生えているので大丈夫かと思うのですができる限り28度以上をキープしてください。
できれば30度くらいあると心強いです。
一人餌になる時期・タイミング
個体によりそれぞれなのでなんとも言えませんが、まず、自分でご飯を食べれると、シリンジからのご飯を拒否る行動にでます。
解りやすい子の動画をあげています。
上記の行動がみられ次第にご飯の時間になっても全くシリンジに近寄らなくなります。
これが嬉しい反面、寂しいんですよ・・・
でもここまで頑張りました!
あとは可愛い姿を沢山見せてくれるので、喜ばしい事ですね。
ブリーダーさん曰はく一人で粟穂をつまんで皮をむいて食べることができると、完全に卒業できるそうです。
秋冬より春の方が繁殖しやすい
秋冬の底冷えや、急に寒くなった時など、雛ちゃんには温度が同じでも微妙に感じ取るようです。
巣立ちの時にちょうど寒い時期というのも、飼い主側は本当に気を付けなければなりません。
そのため私は何度も繁殖してみて、春の方が成功率が高いように思いました。
調節で来たら春に繁殖の挑戦を行ってみてください。
親の遺伝子に問題があると雛は育たない
我が家もそうですが、なぜかこのペアの雛は育たない、という場合があります。
その場合は親の遺伝子や組み合わせに問題があるように思います。
実際、全く子育てしなかった子達がペアを変えたことにより、自身たちで子育てに成功した子もいるくらい、ペアの相性ってあるんです。
遺伝子も目には見えないので、同じショップにいる子同士は兄弟の可能性もあります。
そのため、どうしても育たない子達の場合は思い切ってペアを解消し、組み合わせを変えてみるのもありかと思います。
終わりに
ご質問などはXのDMまたはこのHPのお問い合わせから受け付けています。
できましたら、動画やお写真を添えていただけますと大変助かります。
お問い合わせ | きゃぴあてれび 公式サイト (kyapia.com)
KYAPIA TV💗犬 鳥120匹のママ🐶🐥(@KYAPIA_TV)さん / X
目の前の雛ちゃんがひとりでも成鳥になれますように・・・・
ここまで見ていただきありがとうございました。